たらら~んとしたブログ

歌舞伎・演劇・映画などの感想やら、非日常な日常やら、たらら~んと書いてるブログ。
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七月大歌舞伎*松竹座

6日 夜の部

●宮島のだんまり●

これは芝居ではなく、口上+本日の役者紹介だと思って観るものだと思います。
七月大歌舞伎、襲名興行なだけはあって『超豪華』な幕開きです。
いや~もう、勘太郎が綺麗だった!! 七之助の姫も美しかった!!!
お席が最前だった上に、勘太郎くんの立ち位置のまん前だったから、かなり大興奮!!! 
(※すみません、最近パパだけでなく、ご兄弟にも夢中です。)
内容はとくにありませんので書きません。ただただ、いろんな役の扮装をした歌舞伎役者
を眺めて圧倒されるだけの一幕なので、こういうのは襲名ならではですし、余計なことを
考えずに楽しみました。豪華だったな~。

●大津絵道成寺

道成寺のパロディー舞踊。雁治郎さんが綺麗で、可愛くて素晴らしかったです!! 
琵琶湖の美しい絵を背景に、踊る雁治郎さんの艶やかさを心ゆくまで堪能。
これは五変化なんで、藤娘や座頭、鬼などいろんな扮装で踊る雁治郎さんが楽しめました。
昼の部には勘三郎さんの藤娘があるので、見比べるのも楽しかったな。
いやはや、豪華でした。

●研辰の討たれ

良い話です・・・。泣けます・・・(涙)。
生(舞台)で観るのは二度目だったので、今回はいろいろ考えながら観ましたが、野田さん
はやっぱり頭が良くて、スゴイ人だな~と感服しました。「研辰の討たれ」という昔の戯曲
が、野田さんの演出のお陰で「今も通じるテーマなんですよ」と、光彩を放ちながら~再生~
されたような気がします。
まあ、他の歌舞伎も、観ていればちっとも古くなく、今尚通じるテーマのものが多いのです
が、野田版だとそれをわかりやすく、かつ面白く演出で見せてくれるのが良いです。

好きな場面をひとつ。↓

途中、胡弓の音色でオペラの曲が流れるのですが、その辺りからの研辰こと辰次(勘三郎)
の見せ場&台詞は実に奥深く、考えさせられます。

お研ぎします。お研ぎします。研げといえばお研ぎします。
根は研屋、武士になろうなどと思った私が痴れ者、研いでおります、研ぎまする。研いだ
刀で討たれます。てめえの研いだ刀で討たれまする。生きてえなァ、生きてえなァ。
散るのは春の桜ばかりじゃねぇや、枯れた紅葉もこれが終わりと、おのれの終わりを知り
ながら散っていきます、散りまする。生きて生きて、まあどう生きたかはともかくも、
それでも生きた緑の葉っぱが枯れて真っ赤な紅葉に変わり、あの樹の上から、このどうと
いうことのない地面までの、その僅かな旅路を、潔くもなく散っていく、まだまだ生きてえ、
死にたくねえ、生きてえ、生きてえ、散りたくねえ、と思って散った紅葉の方がどれだけ
多くござんしょ。(研辰の討たれ・辰次の台詞より引用)


良い台詞だ!! 辰次は馬鹿だし、愚かな男ですが、とても人間らしくて、「潔く散る」こと
を良しとしている武士道スピリッツとやらを否定しているんですよね。
見苦しいと思う人もいるかもしれないけれど、「死にたくない、もっと生きたい」と、
悪あがきする人間の方が私はまともだと思うんです。
最後、辰次は平井兄弟に討たれますが、一枚の紅葉の葉が辰次の骸の上に、ふわりふわりと
落ちてくる。潔くなくゆっくりと散る紅葉は、辰次と同じくいつまでも生きていたかった
んだなぁ・・・と、この場面は泣けてしまいました。

で、総括? これは歌舞伎らしい歌舞伎です。
武士道っておかしいよね? 群集心理って怖いよね? っていうような、簡単に言えば、
これは痛快な風刺劇なんですよね。
歌舞伎の語源は「傾く(かぶく)」から来ていて、辞書を引くと「ななめになっている」、
「(思想などが)偏っていること」という意味が載っています。
それが転じて、斜に構えて生きる人、身なりや言動の変わった人、いわゆるアウトサイダーを
「かぶき者」と呼び、またそのような精神がある芝居を「歌舞伎」と呼ぶようになった。

このかぶき者(歌舞伎)の精神に満ち溢れているのが「野田版・研辰の討たれ」だと思う
んです。武士道や敵討ちの精神が美しいなんておかしいぞ! という当時の常識へのアンチ
テーゼなんじゃないかと・・・、頭の悪い私なりに解釈しました。
春の歌舞伎座で観た時は、筋を追うばかりでよくわからなかったのですが、二度目に観て
やっと見えてきたことがいろいろありました。何度か観ないと駄目ですね・・・。
(※ちなみに初演は見逃しました)

7日昼の部

●寿曽我対面

夜の部では染五郎の弟役だった勘太郎が、昼は兄貴役。しかも優しい和事の所作が素敵な
お兄ちゃまでかなりときめきました(笑) 新春のような豪華さの一幕目。
七之助は傾城です。これまた綺麗!!
五月の車引の印象が残っているので、曽我五郎を海老様がやったらもっとらしいのにとは
思いました。染五郎さんが曽我五郎だと線が細いせいか迫力にかけます。

●源太

三津五郎さんの踊り。相変わらず上手い。華やかで良かったですよ!!

●藤娘

舞台がまず見事に綺麗。暗転していた舞台に照明がついたとたん、藤の木から現れる藤娘。
この演出は何度観てもウットリです。しかし、藤娘は淫らな感じが色っぽくていいですねー。
勘三郎さんも、驚くくらい可愛かったですよ!!

●口上

弥十郎さんが勘九郎のお兄さんには大変お世話になり、奥さんまで紹介してもらったという
エピを話したら、勘太郎がウケちゃって震えておりました。面白かったです。

●沼津

泣けた。さっきまでは藤娘で可憐な娘姿を披露してた勘三郎さんが、今度は70歳過ぎの
汚いジジイになちゃってる。こういうのも歌舞伎ならではの面白さ。前半は笑えるところも
多いお話ですが、話の終わりに近付くにつれ悲劇的な展開に・・・。ゆえに、泣ける。
仁左さんの十兵衛も素晴らしく、久しぶりにダラダラ泣けました。いい話だったなぁ。

七月*松竹座もたいへん面白かったです。ただ、歌舞伎座と違って、劇場が面白くないです。
お弁当は持ち込み推奨です。あと、歌舞伎座以上に観辛い感じもしました。
古い劇場って、前の人の頭が気になりますよね。後方の席は相変わらずマナー酷いし、
そんなイマイチな環境でも泣けるほどのめり込めたのは、勘三郎さんが本当に良かったから
だと思います! スゴイです。頑張って行って良かった。


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