たらら~んとしたブログ

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坂田藤十郎襲名~歌舞伎座~①



 坂田藤十郎襲名披露

1月3日。新春ムードの中、歌舞伎座*夜の部を観劇してまいりました。

【玩辞楼十二曲の内 ~藤十郎の恋(とうじゅうろうのこい)~】

一幕目は、扇雀さんが坂田藤十郎役をつとめる『藤十郎の恋』。
茶屋宗清で宴席をもうけている藤十郎の一座。色子の踊りなどもあり、当時の人気役者の
華やかな宴の様子(弥生狂言への顔つなぎ)が垣間見られる幕開けです。そんな中、藤十郎は
のちに近松の代表作となる「おさん・茂兵衛」の役が掴めず、物憂く悩んでいます。
そして、場は宗清の離座敷に移り、宴を抜け出した藤十郎は、そこでひとり役作りに取り組む
のですが、うまくいかない。
「おさん・茂兵衛」は、十一月歌舞伎座で時蔵&梅玉の顔合わせでやったばかりの演目。
不義密通をしてしまった二人の悲劇物です。藤十郎は不義密通……所謂、不倫の経験がない
ため、どうもその役の気持ちや、解釈がわからないのです。それで、離れに現れた茶屋の女房・
お梶(時蔵)に、嘘半分の恋を仕掛けて、その反応を見て役を掴もうとする。
二人は幼馴染みともいえる長い付き合いなのですが、一度だけ14、5歳の頃、祇園祭で連舞
を踊ったことがあり、藤十郎はそんな昔話をしながら、お梶を口説いていきます……。
しかし、お梶は貞淑で有名な女房。そう簡単にはなびきません。

「舞台の上での恋では、日本無双の藤十郎。あなたにかかっては、たわいものう振られ申したわ」

・・・でも、いくら貞淑な女といっても当時の大スタアで色男の藤十郎にここまで言われたら
揺らいでしまうのは当たり前。今で言えば、木村拓哉に「罪なのは承知だけど、愛してます」と
口説かれているようなもの。お梶は、自ら行灯の火を消して、藤十郎に身を委ねる覚悟を決め
ます。が、藤十郎は土壇場で逃げ出してしまう。(→ありえない。本当だったら手も出しそうな
気がしますよ・笑) お梶は、障子に縋り附いて泣き崩れる。お梶の泣き声に交じるように啼く
千鳥の声が切なさを増させる第二場の幕切れです。

それから7日ほど経った、元禄11年弥生興行「おさん・茂兵衛」。場面はその都万太夫座・
楽屋裏に移ります。芝居は大当たり。次から次にご贔屓などが挨拶に来て賑やかです。
そこで舞台が終わった役者連中が、今回の芝居が当たった裏に、どうやら藤十郎の不倫ごっこ
のようなものがあったらしいと噂話を始める。タイミング悪く、そこにお梶がやって来てしまい、
その噂の相手こそは自分だと知ってしまいます。そして、藤十郎にも鉢合わせてしまったお梶
は、いたたまれずに楽屋の片隅で自害してしまう。きっと、お梶は仕掛けられた贋物の恋に、
本気になってしまったんでしょう。切ない話です。

この話は、藤十郎の役者魂のようなものを描いた話なので、藤十郎はお梶が自害しても、役者
は舞台が命と、次の幕が開く拍子木の音に呼ばれたように舞台へと去っていく。
「藤十郎の芸の人気が、女子一人の命などで傷つけられてよいものか」
去り際に、膝をぽんっと叩いてのこの台詞。かっこよかったです!……そして、幕。

扇雀さんの藤十郎。すごく良かったですよ。最近は中村屋関連の舞台で、面白い役が多かった
ように思うので、久しぶりに真面目な扇雀さんを観たような気分。
これは、私の個人的な意見なのですが、扇雀さんはしばらく中村屋さんには付き合わず、
藤十郎パパの傍にいて上方歌舞伎を中心に力を入れていって欲しいな~。
だって、231年ぶりに坂田藤十郎の大名跡が復活しましたが、藤十郎というお名前で上方
歌舞伎に心血そそいで頑張れる期間は何十年と長いわけではありません。
私は当代の藤十郎さんが大好きです。そのあとを継いでいくのは、翫雀・扇雀兄弟以外に
いないのが現状なので、ぜひとも近くで研鑽を積まれて欲しいと願わずにいられないのです。
まあ、私が心配せずとも大丈夫でしょうが・・・。

お梶の時蔵さんは綺麗で、ウットリでした。細やかですよねー、時蔵さんの芝居って。好き。
「藤十郎の恋」、面白かったです。夢中で観てしまいました。

【坂田藤十郎襲名披露 口上】

かたしゃぎりの下座音楽とともに、祝幕が開くと口上だ~と気分が高揚します。
京都南座に引き続き、金ピカな舞台美術にまず圧倒されました! ド派手。
そして、幹部俳優の面々。藤十郎を中心に、雀右衛門、梅玉、魁春、歌六、歌昇、時蔵、東蔵、
我當、幸四郎、吉右衛門、秀太郎、段四郎、福助、壱太郎、扇雀、翫雀、虎之介。
やっぱり、襲名披露の口上は豪華でいいですね。口上の内容は、先日放映された南座の口上と
あまり変わらなかったように思います。左團次や菊五郎とかがいないと、面白トークはない
ので、真面目な感じの口上になっておりました。(※虎之介君の初舞台のご挨拶もありました)
藤十郎襲名、おめでとうございます!

【伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)~御殿・床下~】

待ってました! 藤十郎さんの政岡。
これについては、すごく感動したので、明日また感想をUPします。

【島の千歳(しまのせんざい)/関三奴(せきさんやっこ)】

踊り二本立て。まずは、福助さんの「島の千歳」。小鼓一丁の出打ちで始まるのですが、この
鼓がカッコイイ! 素敵。背景は海。そして、高島田に金の烏帽子、枯茶色?の長絹を纏った
福助さんの登場です。綺麗でした~。
「島の千歳」は、新年にピッタリの御祝儀曲。踊りはよくわからないのですが、観ているだけで
おめでたい気分になる踊りでした。途中、烏帽子と長絹を脱いで、娘姿(赤い着物に、金刺繍の
鶴が舞っている黒い帯)になって、水の気持ち、人の気持ちを踊るのですが、ほんとうに綺麗で
可愛らしくて、昨日に引き続き良い新年だな~と福助さんを観ながら感激しておりました(涙)
「新年あけましておめでとうございます」という歌舞伎座からのご挨拶ですね ♪

続いて、橋之助&染五郎コンビの「関三奴」。大名行列の先頭で先ばらいをする奴さん二人の
これまた華やかで楽しい、新年ムードのある踊り。
黒い毛と、白い毛のついた毛槍を使って、息の合った踊りを見せてくれました。
赤面で勇ましい感じがする奴を橋之助さん、それと対照的な白塗りで優しい感じのする奴を
染五郎さんがやっていましたが、イメージに合っていて良かったですよ 私的見所は、
松づくしのところの手踊り♪ 「どうなっても、俺たちは一蓮托生。相棒だぜ!」って感じの
仲良さもイイ! 最後は、引っ張り絵面の見得で決まります。
最後が楽しい踊りだったので、気分良く劇場を後に出来ました。打ち出し太鼓も楽しく聞こえて、
ほんとうにいい気分。やっぱり、新年は歌舞伎座ですね♪

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↑玄関にあった巨大な鏡餅。新年ですねー

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