たらら~んとしたブログ

歌舞伎・演劇・映画などの感想やら、非日常な日常やら、たらら~んと書いてるブログ。
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松竹座~仮名手本忠臣蔵~ 仁左衛門・玉三郎

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大阪/松竹座まで、『仮名手本忠臣蔵 落人+五・六段目』を観に行って来ました。
無理矢理、日帰り。ハードスケジュールで、大阪滞在時間と移動時間を比べたら、
移動時間の方が多かったという1日になりましたが、行って良かったな~と思っております。

【神霊矢口渡~しんれいやぐちのわたし~】

福内源内(平賀源内)の時代世話狂言。全5段のうちの四段目。
平賀源内が書いた話なんだわ~っていうのが、観終わっての感想でした。
らしい、らしすぎる。
どんなお話かは、こちらを参考にして下さい。
お舟(孝太郎)の家に、一晩泊めて欲しいとやってくるイイ男・新田義峯(薪車)と、その
恋人うてな(春猿)。お舟は義峯に一目惚れ。うてなの存在が気になって仕方がないと
いった始まりです。しかし、歌舞伎は可笑しい。一目惚れはわかるけれど、いきなり迫ったり、
普通はしませんよね(笑)
「あの連れは妹か?」「十年も百年も泊まっていって」「浅草の観音様に参るなら、私も
連れて行って」「惚れられたのを因果だと……」etc。かなり、押せ押せで迫るお舟ちゃん。
可笑しいけれど可愛かったです。孝太郎さんは、こういうお役が似合う 
田舎育ちで不作法。でも、気持ちは純粋で恋には一途。まさに、思い込んだら命懸け。
野崎村のお光とかも似合いそう。
(きっと、やっているとは思いますが、私は観たことがないので、観てみたい。※お光)
色男役の薪車さんも、本人が美しい姿をしているのでピッタリ。

この話は神霊とつく通り、都合よくいろいろな怪奇現象が起こります。
義峯が迫るお舟に、腹を決めて抱こうとすれば、敵方(頓兵衛)の娘を抱くのはイカンと
神霊が怒って、二人は意識を失ってしまうし、最後はどこからともなく白い矢が飛んできて
頓兵衛は死んでしまうし。話的にはなんでもありじゃん、これって感じで私には面白さが
わかりませんでした。
でも、絵面的には見所が多く、お舟の手負いごとや、柱に頭をぶつけた後の頓兵衛の見得等、
観賞するには楽しい芝居でした。

【仮名手本忠臣蔵】

●落人 ~浄瑠璃 道行旅路の花婿~●

浅葱幕が落ちると、そこは桜や菜の花が咲く戸塚の山中。大太鼓が春雨の音を刻んで
います。そして舞台中央に、おかる(玉三郎)と勘平(仁左衛門)が、ひとつの合羽を
分け合い、身を寄せ合って立っている。この幕開きを観ただけで、来て良かったと心の
底から思いました。本当に美しい(涙) 
玉三郎さんの衣装は、矢絣柄ではなく、紫地に小菊の柄が入った着物でした。
本来なら塩冶判官のお屋敷で働いていたおかるが外へ用事に出かけるなら、「矢絣」じゃ
ないとおかしいのだそうですが、『景事』に重きをおいて、華やかな衣装にする場合が多い
ようです。玉三郎さんは、綺麗に見える方を選択したのですね。嬉しい♪ 本当に綺麗でした。
二人の印象ですが、おかるは「自分のミスで侍の面目をなくし、憔悴しきっている勘平さん
をなんとか生かして、立ち直らせたい」といった強さのある女。勘平は優男っぽくて、色に
も迷いそうだし(笑)、自分では何も解決できなそうな感じの男。
なので、「おかる、おじゃ」の後に流れる清元の、「色といふ文字はなぁ、いたづら者よ……」
という文句がピッタリ、しっくりきていて良かったです。仁左衛門さんは、こういう憔悴
している色男をやらせたら当代一ですよね!!
美男・美女の落人が新年に見れて、眼福の極みでございました。
いつも思いますが、玉三郎さんが踊る時の着物の裾さばきは、なんであんなに見事なのだ
ろう・・・。

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続きはこちら↓ 

●五段目●

今月は浅草歌舞伎でも『五・六段目』をやっていますが、思ったのが仁左衛門さんの勘平
は、写実的なんですが、大げさな芝居はしないというか、スッキリしています。
中村屋さん(現・勘三郎やご兄弟)の勘平ばかり見ていた私には、くどくない仁左衛門さん
の勘平はとても新鮮。
いいなあ、と思ったのは、誤って定九郎を撃ち逃げ帰ろうとするところを、花道七三で足を止めて、あのお金は必要だ…と思い至る時の表情。なんだか今でも頭に残像が残っています。

そして、見たくてたまらなかった愛之助さんの定九郎。素敵!! いや~、もうたまりません。
松竹座の定九郎の登場は、花道からです。与一兵衛よりも先に揚幕から走り出て来て、
傘を捨てて稲架け藁の中に隠れる。私が今まで観て来た五段目の定九郎の出は、稲架け藁
の中からにゅっと出る白い手だったので、こういう登場もあるんだと驚きました。
調べたら昭和61年2月に、團十郎さんがこのスタイルでやったそうです。・・・と、話が
それましたが、愛之助さんの定九郎、すごくかっこよかったです! 悪の華 
舞台写真も買ってしまいました。
今月は三人の定九郎を見ていますが、いちばん好きです。個人的に。

●六段目●

面白かった。感動した! 
五段目でも書きましたが、仁左衛門さんの勘平は無駄に動きません。
お才の取り出した縞の財布を見て、「撃ち殺したのは舅?」と狼狽していく時も、じっと
動かず表情だけで見せてくれる感じです。本当に新鮮。そして、素敵・・・。
玉三郎さんのおかるは、七段目が想像できる芯のあるしっかり女房風。凛とした可愛らしさ
とでも言えばいいのか。場面では、夫婦の水別れの場面、源六に煙草盆を渡した後、戸口
を閉めてそっと涙を拭うところの間が、とても切なくていじらしくて好きです。
「さらばでござんすっ」「おかる、待ちゃれ」で二人が最後の抱擁をするところも良かったな~。
勘平は自分の顔を指差して、「舅を殺したのは俺だ」と打ち明けたいけれどできないと
いう、そのジレンマに震えているのですが、おかるはしばらく会えなくなる愛しい男を
ただじっと見つめている。事実を知らないので、おかるは未来永劫の別れだと思ってない
んですよね。年季があければ、いつかまた会えると思っている。でも、勘平はすでに死に
憑かれていて、二度とおかるを腕に抱けないと知っている。切ないです。
それは、おかるが去った後に泣き崩れますよ……。

竹三郎さんのおかやも熱演でした! 「とさまを生けて戻せやーい」と勘平をきつく責める。
ここのおかやの責めが激しい方が、その後の「身の誤りに勘平は、五体に熱湯の汗を流し」
の義太夫に乗っての号泣が生きるように思います。すごく良かった(涙) 
ここ辺りから落涙。
「色に耽ったばっかりに」も色男の勘平らしくて、最高でした。いい舞台だったなぁ。
最期、おかやの肩にもたれるようにして息を引き取る勘平は、見ていてとても痛ましく、
泣けてしまいました。視界が曇って大変……。
六段目の勘平の切腹の場は、悲しいし、切ないけれど、美しくもありますよね? 
仁左衛門さんの勘平は、美しさの点でも最高でした。
水浅葱の紋服に、乱れ髪。赤い血で染まったサラシ。みすぼらしい背景に勘平の死だけが
妙に美しいなんて。六段目は素晴らしいです!!

脇も良かったです。千崎弥五郎に段治郎、一文字屋お才に笑三郎、不破数右衛門に弥十郎。
適所適材というか、脇も揃った名舞台でございました。大満足。

【春調娘七種】

日帰りのため、新幹線の最終に乗らなければならず諦めました。観たかったです(涙)

松竹座には19日に行きました。大阪←→東京の往復は大変でしたが、行った甲斐のある
観劇でした。残念ながら筋書きはまだ写真入のが出ていなかったので、只今通販待ちです。
20日~舞台写真入に変わると言ってました。惜しい。ニアミス。
あと、観劇弁当は戎橋筋にある丸万寿司のお弁当にしました。松竹座に近いここのお寿司
弁当は美味しいので、いつも利用しています。松竹座見物の楽しみの一つです♪

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-6 Comments

とみ says...""
>KANTAさま
獅子丸を飼っているとみです。音羽屋のファンですが雑食系です。もしよろしかったらペットもお友達になっていただけたらうれしいです。ワタクシは日帰り遠征は,歌舞伎座に菊之助&玉三郎丈がそろったときに参ります。
昨日昼夜通しで二度目行って参りました。感想はどうしようかと悩んでましたが,書くことにします。
2006.01.22 15:57 | URL | #- [edit]
びんちょ♪ says..."ただいまです♪"
帰ってまいりました~♪
もう「全て魅せます、段治郎」って感じで、メロメロです。。。
丸万寿司、教えてくださってありがとうございました。大阪寿司、おいしかったです♪
2006.01.23 20:50 | URL | #- [edit]
たらら~んとしたブログ管理人A says..."こんばんは。"
こんばんは。おとみさんのブログを読んで、やはり行かねば
ならんと、日帰りで遠征してきました。
二度目の観劇もなさったのですね。ぜひ、感想書いて下さい。
おとみさんのブログの文章は、とても素敵で憧れています!
ところで、仁左衛門さんの勘平は、二つ玉の場で、二発目を
花道で撃っていたでしょうか? なぜか思い出せず気になって
います。浅草歌舞伎でも見ましたが、いろいろと異なる点があって
興味深いです。私ももう一度、冷静に見たいです(涙)

ペットの件はメールしました!
2006.01.23 20:56 | URL | #EB29KFfw [edit]
たらら~んとしたブログ管理人A says..."丸万寿司"
びんちょ♪さん、お帰りなさい~。
丸万寿司、お試しになられたのですね。私は「華」にした
のですが、「大阪寿司」もいいな~と迷いました。

段さまを堪能なされたのですね。私は夜の部のみだったので、
弥五郎役しか見られなかったのです。また、是非感想をブログ
に綴って下さい。楽しみにしております。
2006.01.23 20:59 | URL | #EB29KFfw [edit]
まこ says...""
コメントありがとうございました。
日帰りで夜の部だけ行かれたんですね。
すごい!
でも、その価値ありありですよ。

丸万のお寿司、食べなかったのが心残り。
遠征中だと、暖かいものが食べたくなるので、ねぎ焼きとか、はり重とか、キムカツに行ってました。松竹座は繁華街にあるから食べるのも楽しくていいですよね。

おかるの着物のこと勉強になりました。
今度、関さんの本読んでみます。
2006.01.25 23:00 | URL | #- [edit]
管理人A says..."はり重!"
まこ様こんばんは。松竹座遠征の楽しみに、大阪グルメも外せないですよね!
私もはり重は幾度か利用しました。ちょっとお高いですが、美味しいですよね♪

おかるの着物のことは、関容子さんの「芸づくし忠臣蔵」に記述があります。
他にもいろいろ興味深い話が載っているので、未読なら是非!
2006.01.25 23:20 | URL | #EB29KFfw [edit]

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