たらら~んとしたブログ

歌舞伎・演劇・映画などの感想やら、非日常な日常やら、たらら~んと書いてるブログ。
MENU

浅草歌舞伎を振り返る

00012412.jpg

今年の浅草歌舞伎、ブログには書いていませんが、既に四度見ております。(→馬鹿)
三階席だと2000円で観れるので、ついつい観に行ってしまう……。まあ、ファンとは
そういうお馬鹿さんな者なのです。千秋楽も行く予定だし(死)

それで、気付いたことなどを書いておこうと思います。

●七之助の勘平●

初日に比べて、後半はどうなっていくのだろうと思ったら、これがおかしな方向に進んで
いるように思う 熱演は変わらないのですが、熱演しすぎて型なしになっている。
義太夫と合っていないんですよね。役に入り込んで一生懸命やるだけでは「歌舞伎」じゃない。
抑えるところは抑えないと駄目だし、型は大切。あと、義太夫のリズムに乗るのも大切なのが
歌舞伎だと思うので……、なにが言いたいかと言うと、やり過ぎ! 力み過ぎ!
深呼吸して~、落ち着いて~と裾から声をかけたくなる勘平ですよ。
おかやに責められて、「身の誤りに勘平は、五体に熱湯の~~」でウウウッとグダグダになる
のはいいのですが、六段目に入って縞の財布にドキッとしてから、ずっとグダグタでは芝居
に緩急がつかないといいますか……。あと、弥五郎と数右衛門に自分の気持ちをわかって
欲しくて引き止める場の「御両者、お持ち下され」とか、絶叫になっちゃっている。
うるさいくらい。中村屋さんの勘平のやり方では、なりふりかまわずっていうのがあると思う
のですが、やり過ぎ感はいなめない。
七之助の勘平は、若い勘平なので短慮で、突っ走ってしまった勘平でもいいのですが、もう
少し抑えるところを抑えて、熱演してくれたらいいのにな~と思います。
舞台写真を買いましたが、手負いの猫のようですよ。
初役ですし、年齢を考えたら十分なんですが、愛ゆえにちょっと厳しいご意見も書いてみました。

●勘太郎の勘平●

勘太郎の勘平は、お兄さんですし、七之助よりもいくらか余裕はあります。
ですが、やっぱり、やり過ぎなところが気になる。
五段目、定九郎の懐から財布を奪い、弥五郎に届けようと花道から去るところ。誤って人を
殺して動揺しているのを見せたいのはわかるのですが、ぜえぜえと肩で息をするようなオーバー
な芝居は要らないと思うのです。勘三郎パパも肩をちょっと上下に動かしているように見え
ますが、こちらは自然なのでいいのですけれど、勘太郎のはオーバーすぎて不自然。1キロ
くらい全力疾走したような肩の上げ下げなので、どうしても気になる。
あと、七之助と同じく、六段目も要らぬところでも力みすぎ。弥五郎たちを家に招き入れる
ところ、ささ、どうぞ奥へみたいにやるのですが、あそこで大声を張り上げて力まなくても
いいような気がします。「御両者、お待ち下され」もしかり。七之助もそうですが、涙を流し
ながらの大熱演と、若さの勢いで、とても感動的な舞台にはなっているのですが、やり過ぎ
なのは見ていて辛くもなります。

そして、先日の新発見。勘太郎の勘平は、おかやの肩に頭を預けて死んでいく時に、「おかる、
おかる・・・」と呟いているのです。こんな勘平見たことない! びっくり。過去の役者さんで、
死にゆく時に愛しい「おかる」の名前を呟きながら死んでいった人はいるのでしょうか?
不勉強なのでわからないのですが、きっとこれは、勘太郎の新解釈によるアドリブだと思う。
浅草歌舞伎は若い二人のおかる、勘平なので、その愛を強く出すのもアリなのかも知れませんが、
仮名手本忠臣蔵の勘平が最期に呟くなら、主人(塩冶判官)の名前でないとイカンような気も。
でも、「色に耽ったばっかりに」と後悔する勘平は、年齢的には若い男。当時の主従関係が親
との絆よりも重い世相(常識)を考えなければ、あだ討ちよりも、何よりも恋人が大事でいいの
かもしれない。ロマンチックな解釈だ!

↑情報を頂いたところ、今月、松竹座で上演されている六段目でも、仁左衛門さんの勘平が
今際の際に「かる……、かる……」と呟いていたそうです。ということは、仁左*玉コンビの
「仮名手本忠臣蔵」は、六代目菊五郎型を元に工夫したモノだというので、六代目さんも「かる…」
と呟いていたのかもしれない。中村屋さんもこの菊五郎型ですし……。謎?が解けてよかった
です。私も松竹座を観に行ったのですが、お席が二階だったので仁左衛門さんの呟きが聞き
取れませんでした。やっぱり、一度しか観ないなら良席がいいですね(涙) 
細かい芝居や、表情、小さな声までちゃんと堪能したい! スカパーの歌舞伎チャンネルで、
やってくれるといいなぁ。(※情報を頂けたので追記しました。)


おかるについては、やっぱり七之助のおかるの方がイメージですよね。勘太郎がおかるをやる
なら、勘平は橋之助さんとか、海老様とかにやって頂きたい。今年の四国こんぴら歌舞伎は、
海老様の勘平です。おかるは亀治郎。かなり見たいです。・・・話がそれました。

今月は忠臣蔵を見すぎて、一部台詞まで暗記し始めている今日この頃。いろいろ謎も多く、
興味深い演目だな~と思います。二つ玉の場の「二つ玉」は弾丸を二発撃つからついたのでは
ないとか、どうして弥五郎たちは勘平をあだ討ちリスト(笑)の中に入れてやることにしたのか等。
主人の大事におかるとデートしていたような、浮ついた男の金は要らないって話だったのに、
切腹したらOKになるっていうのはどうしてなんだろう。だったら、最初から仲間に入れてあげ
ればいいのに~と思ったりします(笑)

ともあれ、言いたい放題書きましたが、「浅草歌舞伎」の忠臣蔵も見るたびに、泣いています。
二人の頑張りが本当に凄いと思うのです。

banner_02.gif   にほんブログ村 演劇ブログへ

↑お気に召したら、ポチッとお願いします

スポンサーサイト

該当の記事は見つかりませんでした。

-4 Comments

まこ says...""
はじめまして
松竹座で仁左衛門さんも「かる・・・・」と言ってましたよ。おかやにささやいてました。心配だったんでしょうね。
勘太郎くんがおかるの名前を言っててうれしかった。おかるは勘平さんが全てなので。
2006.01.25 00:37 | URL | #- [edit]
管理人A says..."まこ様へ"
仁左衛門さんも「かる……」と呟いていたのですね! 私の席は二階だったので、
声が届いてこなかったです(涙) やっぱり、良席で観たかったな~。

たしかに、最期におかるの名を呼びながら息絶えていく方が、あらがえない運命
に引き裂かれてしまった恋人たちの悲劇性が強調されて良いな~と思います。
それに、まこ様が言うように、おかるにとっては、勘平が全てなんですものね(涙)

どうも武士という男は、色恋や何よりも主人に命をかけて尽くすのが美学だと
思っているようで、野暮でイカン……と常々思ってきた私ですが、色男の勘平は、
恋も大事にしていたのですね。
浪漫があっていいな~(涙)

情報ありがとうございました。嬉しかったです!
2006.01.25 02:04 | URL | #EB29KFfw [edit]
なほ says..."はじめまして"
かる…について勘九郎さん時代の本に書かれていた事なのですが、そもそも六代目が言ったらしく、それを先代の勘三郎さんがおかると言った時に、そんなみれんたらしい勘平があるかと論議が2つに割れたそうです。

でも最後のかる…は「おかるにはこの事を言うなよ」と言いたかったけど、苦しくてそこまで言葉が続かなかったとゆう解釈だそうです。

本を読んでいたので勘太郎さんはきっと言うだろうなと思っていました。千秋楽の勘平は力みがなくて素晴らしかったらしいです。
2006.02.10 15:54 | URL | #- [edit]
管理人A says..."なほ様へ"
コメント有難うございます。

「おかるには、この事は言うなよ」という解釈は、すごくしっくりきますね。
身売りをさせてしまった愛しい女房おかるに、自分が死んだことは知らせない
で欲しいっていうのは、とても納得!
だって、大好きな勘平のために遊女になったおかるですもの、その勘平が
死んだと知ったら病になってしまいそうです!!
→教えてくださって有難うございました。

千秋楽は、私も見ましたが、たしかに力みが改善されていたように思います。
勘太郎の勘平。また見たいです。
2006.02.11 03:00 | URL | #EB29KFfw [edit]

Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

trackbackURL:http://airen.blog5.fc2.com/tb.php/124-e988b371
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。