たらら~んとしたブログ

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パリ・オペラ座バレエ団「SWAN LAKE」

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ヌレエフ版「白鳥の湖」。それは、モダンとクラシックの中間……とても斬新で、大人のバレエ
だと思いました。さらに簡単に言えば、プティパ/イワーノフ版など(古典)→ヌレエフ版(中間)
→マシュー・ボーン(モダン進化形)といった感じ。……って余計わからないかしら?
意味不明な前置きはこの辺にして、私の感想を書いておきます。

ヌレエフ版白鳥~のオデット姫は脇役(しかも、あて馬)に過ぎず、主役はジークフリート王子
である。王子と家庭教師(=ロットバルト)の物語。なので、さらに進化するとマシュー・ボーン
版と繋がるような気がした。
純粋培養で育ってきた軟弱王子は、知的で教養深く、かつ大人の魅力(色香)に溢れる家庭
教師に心酔していて、それはむしろ恋と言い換えた方が正しい。
おそらく家庭教師も無垢な王子を愛している。が、こちらは大人なだけに愛憎半々。
そして、家庭教師(=ロットバルト)は『人の欲望』の象徴でもある。王子は結婚するような年齢
になって初めて、自分の中に眠っていた欲望に気付いたといったところ。
家庭教師に目覚めさせられたのかも・・・? きっとそう。

オープニングで、悪い魔法使い・ロットバルトがオデット姫をさらって飛び立っていく。
この演出がヌレエフの解釈を象徴しているように思えた。「王子の結婚を阻止し、不幸にして
やりたい」という歪んだ愛情から生まれた計略。それを暗示した出だし。ゾクゾクきます。

一幕目。王子の誕生日パーティー。ママ(女王)に明日花嫁候補を揃えた舞踏会をしますよ、
と言われて浮かない様子。恋慕う家庭教師にまで結婚を勧められ、ますます気分はロウに・・・。
王子の目には綺麗なお嬢様たちや、楽しい宴の模様は映らない。物憂く宙を見ているだけ。
王子には複雑怪奇な家庭教師の気持ちはわからないのである。ゆえに思い悩む??

二幕目。王子、オデット姫と出会う。オデット姫はロットバルトの魔法によって白鳥に姿を
変えられている。王子はあっけなく姫に恋をし、永遠の愛まで誓うが、これも計略のうちに
しか見えない。家庭教師(=ロットバルト)が前もって周到に用意し、仕掛けた罠に王子が
まんまとひかかってしまったように感じた。

三幕目。女王主催のお見合い舞踏会が開かれる。ロットバルトが用意したオデットの替え玉・
黒鳥オディールが登場。お馬鹿さんな王子は、オデットと瓜二つのこの黒鳥に結婚を申し込む。
王子、見事にロットバルトの罠に嵌る。
可哀想なのはオデット姫。巻き込まれ損としか言えない。

四幕目。王子・ロットバルトの官能的な踊りが強く印象に残る。どう観てもオデットは脇役。
最後、ロットバルトは白鳥を湖に蹴り落とし、王子と永遠に会えないように連れ去る。
オープニングと同じ演出。勝ち誇ったようなロットバルトがたまらなく素敵だった。
王子はすべてを失ったように倒れ伏す。

・・・と、私にはこのように見え、感じられたのです。王子と姫の悲しい恋物語というよりは、
王子と家庭教師の背徳の恋物語としか思えない振付・演出なんですよね。
う~ん、面白い。
もちろん、基本的な流れは古典の「白鳥の湖」と一緒ですが、家庭教師(=ロットバルト)
が目立ちすぎる。この二役を一人のダンサーがやるというのも、とても意味深で、正直、影の
主役! 王子よりも美味しいのです。
白鳥オデットと王子のパ・ド・ドゥ、黒鳥オディールと王子とロットバルトのパ・ド・トロワ等、
踊りの見せ場は勿論姫がいちばんなんですが、物語上では霞みまくり脇役になっている。
このヌレエフ版を幾度となく再演するオペラ座バレエ団。モダンの方でも世界最高峰の座に
いるオペラ座バレエ団だからこその選択な気がしますね。

私が観たのは、22日昼の部。
オデット&オディール姫=デルフィーヌ・ムッサン。王子=エルヴェ・モロー。
ロットバルト=家庭教師=ステファン・ファヴォラン。という配役でした。
今回の来日公演、ニコラ・ル・リッシュやルグリなども来ているのですが、私は新星モローが
観たかった! 生で観たことがないっていうのもありますし、ジークフリート王子のイメージに
いちばん近いルックスをしているのはモローなので。嵌ってました!! 
今回、最後に手を付いちゃうというミスもありましたが、モローの王子だと、それすら演出に
思えちゃいましたよ。優柔不断で、軟弱な王子・・・本当にピッタリでした。
オデット/オディール姫のムッサン。年齢的なこともあり、32回転などの見せ場は無難にこな
していたというか、地味。でも、手堅い。
鳥の羽ばたきを連想させる腕のしなやかさ、首の動き、素晴らしいです! 本当に丁寧。
体の綺麗さにもウットリ。出産しても変わらぬ体型! スゴイですよね。
そして、なんといっても怪しい魅力でヌレエフ版の作品世界を我がモノのようにいていたロット
バルト=フォヴォラン! 顔小さい とにかく素敵 すっかり、やられました。
元々ロットバルト好きなので、ヌレエフ版だとより注目してしまいますね。

・・・長くなったので、続きはまた明日。

注意:バレエにそれ程くわしくない人間の感想です。思ったままを書いたので、
ヌレエフの解釈については専門家の評などを探して読んで下さいね♪

 
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