たらら~んとしたブログ

歌舞伎・演劇・映画などの感想やら、非日常な日常やら、たらら~んと書いてるブログ。
MENU

ヨコハマメリー

00yokohama.jpg

かつて、一人の娼婦がいた。彼女の名前は~ハマのメリー~

私はメリーさんに勝手な親しみを抱いていた。なぜなら、若い頃、時に奇抜なファッション
をしていた私に友人が付けたあだ名が葛西メリーだったからだ。(※当時葛西在住)
メリーさんの存在も知っていた。横浜の伊勢崎町界隈に出没する白塗りに時代錯誤したドレス
姿の可愛らしいおばあちゃん。彼女にまつわる伝説はたくさんあって、娼婦だったことも私は
聞き知っていた。くわしいことは何も明らかではないけれど、ハマのメリーさんは有名だった。
少なくとも私の周囲にいる友人は半数以上知っていた。

そんなわけで、私はメリーさんにずっと興味があった。なので、今回、ハマのメリーを題材に
したドキュメント映画が公開されたと知って、新宿まで観に行って来た。
皆もメリーさんに興味があるのか、レイトショーだというのに映画館はほぼ満員。
伝説が一人歩きし、謎に包まれたメリーさんの真実の姿。皆も私と同様、好奇心に駆り立て
られて足を運んだのだと思う。意外に若い人(十代くらいの人)も多かった。
しかし、映画を観ていくうちに好奇心だけだった筈が、あまりの内容の深さに心を揺さぶられ、
ボロボロと涙してしまい、終わってからも涙は止まらず恥ずかしい思いをした。
映画「ヨコハマメリー」は戦後の隠蔽された日本の歴史、横浜ヒストリーを教えてくれるだけに
とどまらず、生きることの意味や、人の懐の深さ・優しさまで教えてくれる素晴らしい作品で
ある。雨の中、新宿まで観に行った甲斐があった。

この映画は、ヨコハマメリーにまつわる人々の証言インタビューをもとに、彼女の実像を浮き
彫りにしていく手法で撮られている。彼女の友人であったゲイのシャンソン歌手・永登元次郎、
彼女の衣装を管理していたクリーニング屋の夫婦、彼女の髪を切っていた美容師、彼女に粉
白粉を勧めた化粧品店の女主人などなど。中でもメインに扱われていたシャンソン歌手の
元次郎さんの生涯も、メリーさんとどこか通じるところがあり、とても心に打たれた。(彼は
映画撮影時、末期癌と闘っており、映画の完成を待たず2004年に急逝)
映画の最後、白塗りをやめ、本名に戻り、老人ホームで穏やかに暮らすメリーさんの前で、
彼がシャンソンを歌う場面は、泣けてどうしようもないくらい感動した。

メリーさんは敗戦後、進駐軍の米兵相手に娼婦をしていた。その時、出会った将校が忘れら
れず、横浜に何十年も居付いていた。将校から貰ったらしき翡翠の指輪を大切にしていて、
一度失くした時はとても落ち込んでいたという。そして、彼に再会することはもうないのだと
諦めたのか、95年メリーさんは姿を消す。その後の消息についての噂は膨らみ、いろいろな
憶測がなされたが、彼女は故郷に帰っていた。
普通のおばあちゃんとして老人ホームで過ごし、2005年に天国へと旅立った・・・これが、
私が映画から知り得たメリーさんの実像だ。
そして、映像で知ったメリーさんの印象は、気高く、強く、けれども可愛らしい女性だった。
偏見に負けず、自分らしく強く生き抜いた彼女は決して蔑まれる存在ではなく、尊敬できる
人物だと思う。彼女のすごいところは、映画の最後の笑顔にある。よく生きた人の笑顔だった。
白塗りのメリーさんも忘れられないが、素顔で微笑むメリーさんはもっと忘れられない。
それくらい素敵な笑顔だった。

これは、是非観てもらいたい映画である。ほんとうに感動した。

00mery.jpg
ヨコハマメリー
●公式HP→こちら

【追伸】
映画ポスターを担当されたのは、コクーン歌舞伎のポスター画も描かれていた宇野亜喜良
さんです。5月12日のレイトショー上映前に宇野亜喜良さんのトークイベント有り。
詳しくは、新宿テアトルにお問い合わせを♪ 私は行けません(涙)

●映画のお薦め度→★★★★★(5段階評価) 伊勢崎町ブルースにのせて、一人の女性
の人生を撮った感動のドキュメント映画です。

【観た場所】新宿テアトルシネマで、5/10夜に観ました。

banner_02.gif   にほんブログ村 演劇ブログへ

↑ポチっと、ブログランキング 検索にもどうぞ!


スポンサーサイト

該当の記事は見つかりませんでした。

-2 Comments

きたむー says..."お芝居でも"
このメリーさんをモチーフにした舞台がありましたよね。
リリパット・アーミーの舞台。
見てみたいんですけど、福岡の方では上映しないみたいです。
残念・・・。
2006.05.11 02:56 | URL | #pKHacpgQ [edit]
管理人A says..."リリパット・アーミー"
中島らもさんの「白いメリーさん」を戯曲化したのが、リリパット
の舞台だったような記憶が・・・。
らもさんのメリーさんは、たしか3回遭遇すると死んじゃうとか
そういう都市伝説的な話でしたよね? 

福岡では上映ないんですね。こちらでは動員数が予想を上回っている
のですが・・・。拡大ロードショーになるといいですね。
なんで良い映画ほど、ミニシアター系になるんだろう?
2006.05.11 04:01 | URL | #EB29KFfw [edit]

Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

trackbackURL:http://airen.blog5.fc2.com/tb.php/251-7ce17ec4
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。