たらら~んとしたブログ

歌舞伎・演劇・映画などの感想やら、非日常な日常やら、たらら~んと書いてるブログ。
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十一月大歌舞伎/昼の部

【息子(むすこ)】

小山内薫が、スコットランドの劇作家ハロルド・チャピンの一幕物を翻案し、六代目
菊五郎が初演した佳品ということで、初めて観るし期待していたのですが、私には
この戯曲の面白さが伝わってこなかったです。
師走の雪の降る晩、火の番屋の偏屈じいさん(歌六)のところへ、金次郎(染五郎)と
いう青年が現れる。雪の寒い晩なのに着流しで、傘もささないその男は一文無しで、
生業を語るも信憑はなく怪しい。じいさんには同じ年の頃の息子がいて・・・
実はその金次郎こそが実の息子であったという台詞中心の心理劇なのですが、ふ~んっ
て感じです。まあ短い一幕なので、飽きはしませんが眠りそうになりました。
この話、二人が会話している間に、お互いが会いたかった肉親であるというのに気付いて、
そのあたりの情愛をもっとわかりやすく演技で見せてくれたら、感動したかもしれない。
六代目菊五郎は、どのように演じていたのだろう。きっと、良かったに違いない。

【一谷嫩軍記 熊谷陣屋(くまがいじんや)】

素晴らしい。仁左衛門の熊谷直実!! 昼の部、いちばんのお薦め演目です。
観ておいた方がいいです。仁左衛門襲名興行以来の直美役!!
基本の団十郎型に仁左さんの新しい工夫・解釈を足した直美らしいですが、ほんとうに
素晴らしい!! それ以外の言葉が出ない一幕でした。
仁左さんは姿かたちが良いだけではなく、研究熱心で芝居に対する直向さを失わない
のが本当に凄いですよ。尊敬します!!
私は熊谷陣屋を他の配役でも観ていますが、今回はちょっと泣かされました。
前に観た時はこんなに感動しなかったのにな~。
幕切れの花道の引っ込み、「十六年はひと昔、夢であったなァ」の台詞が胸にきました。
お話は有名なのではしょりますが、熊谷直美は猛々しい武将。しかし、戦功などのために
実の子の首を切り落とし、殺さなければならなかった。
それで、子殺しや多くの人を戦とはいえ殺してきた自分の罪を償うために出家するという
人なんですが、ほんとうに切ない! いつの時代も戦争はよくないです。
直美の妻・相模=雀右衛門、義経=梅玉、藤の方=秀太郎、堤軍次=愛之助と脇も
揃い、豪華で見事な一幕でした。

【雨の五郎(あめのごろう)】

吉右衛門の五郎。踊りです。曽我五郎が馴染みの傾城に会いに行くところを踊りにした
もの。普段は荒事でみる力強い曽我五郎の、色っぽいところが見られるのが美味しい?
衣装も立派で、華やかでした。

【うかれ坊主(うかれぼうず)】

富十郎の浮かれ坊主。感想を書くまでもなく絶品です!!
素肌に薄い羽織一枚で踊るので、これは誤魔化しがきかないですよ。
あと、内容はあちこちの素人女に手を出した挙句、傾城にはまって一文無しになった
エロ男が、おもらい乞食(坊主)になって・・・といったものなので、歌詞が下品で
愉快でした。歌舞伎は高尚ではないのです。やはり、庶民の娯楽なのです。
歌舞伎座通い=ハイソな教養人の楽しみみたいな誤った見解をしている方が多いです
が、しいたけさん(男性器)にかんぴょうさん(女性器)♪なんていう唄に合わせて
滑稽に踊る役者を見て、爆笑する小屋なんですよ。これがハイソな楽しみなワケは
ないですよ~。こういう馬鹿馬鹿しいものも多いです。

【人情噺文七元結(にんじょうばなしぶんしちもっとい)】

人気の世話物。よくかかるので、私も話はすっかり覚えています。
前回は中村座で勘九郎(現・勘三郎)の長兵衛で観ましたが、今月は幸四郎が初役で
長兵衛をやっていました。文七役に染五郎。

面白くはあったのですが、やはり長兵衛の解釈は勘九郎さんの方が良かったし、芝居も
同じく勘九郎さんの方が合っていた気がします。幸四郎さん=長兵衛は、歌舞伎通
の言うところの「ニン」じゃないのかも??
文七の染五郎さん、角海老女房お駒の秀太郎さんは良かったです。ピッタリ! 

十一月歌舞伎座・昼の部は、「熊谷陣屋」と「うかれ坊主」。この二つが飛びぬけて
おりました。行って良かった!

今回の座席→三階A席 最前列の下手寄り。


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