たらら~んとしたブログ

歌舞伎・演劇・映画などの感想やら、非日常な日常やら、たらら~んと書いてるブログ。
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九月大歌舞伎~夜の部~

観劇日→16日

急遽、3階B席から観て来ました。幕見か、3階Bかって悩むところなんですよね。
実は3階Bよりも幕見席の一列目の方が見やすいって話もあり・・・。でも、早目から
並ぶのが大変なので、結局いつも3階B席を選びます。見やすくはない席ですが、価格が
映画+α(2500円位)で歌舞伎が見れるというのは、ちょっと見たい時にはすごく
嬉しいお席です。

なにが見たかったかというと【平家蟹】
このオープニグのナレーションを白石加代子さんがやっているんですよ!
暗転の中、幕に平家物語の絵が映し出されて、白石さんのあのお声で「祇園精舎の鐘
の声……」と入り、「平家蟹」の背景を語っていくという演出はかなりゾクゾクしました。
お話は平家が滅亡した後の壇ノ浦、ひたすら源氏を恨む生き残りの官女・玉蟲(芝翫)が、
僧・雨月(左團次)に諭されても恨む心が捨てられず、最後には妹と、その恋人那須与市の
弟・与五郎を殺してしまうといったものなのですが、怪異譚のようで怖くて良かった。
恐ろしいのは幽霊よりも、人の業なのですっていう。生きたまま鬼となった玉蟲の憐れな
感じも良かったです。思っていたよりも、ずっと面白かった。
流石、岡本綺堂先生の戯曲です。
個人的には、元は平家の武将で、今は僧になっているという雨月の役どころが好き。
左團次さんも、いつものヒョウキンぶりを忘れさせる渋いお芝居で魅せてくれました。
いじらしく可愛い玉蟲の妹を魁春さん、与五郎は橋之助さんと、脇も揃ってて良かったです。
魁春さんっていじらしい女をやらせたら、かなり良いと思うのですが・・・。
俊寛の千鳥とか。好きな女形さんです。

【勧進帳(かんじんちょう)】

久しぶりに見た勧進帳。海老様襲名以来に見る演目です。勧進帳は歌舞伎ファンに絶大な
人気を誇る演目で、私が見た16日の三階席もこの幕だけ見に来たという年配の方が多かった
し、大向こうも一番かかっていました。
その「勧進帳」。私はいわゆる歌舞伎十八番シリーズがあまり好きじゃないと思っていた
のですが、今回見てやっと良さがわかった。
「勧進帳」はイイ!(→当たり前)
まず、松羽目モノの舞台+ひな壇のような座に並ぶ長唄囃子連中を観ただけで、ときめきます。
↑歌舞伎が見たいな~とウズウズして突発的に足を運んだ日だったからかも・・・(笑)
音楽も超カッコイイのね~。

豆知識ですが、松羽目モノの背景の松の絵は、とても便利な記号のようなもので、
なんにでも変わるというトランプのジョーカーみたいな役割をしています。
勧進帳の舞台は「安宅の関」なので、観客は松の絵は安宅の関を表していると暗黙の
了解で納得しなければならないのです。黒子はいないもの、見えないものという暗黙
ルールと一緒です。あと、下手に用意される五色の揚幕は、陰陽五行の五色からきて
おります。ですが、色が二色違うんですよね。黒→紫、青→緑と変わっている。
なんでそのように変えたのかは知らないのですが、いつも「なんでだろう?」と気になり
ます。この辺りは、能楽マニアのお友達でも出来ればわかりそうな気がしますが、知って
いる方がいたらコメントなどで教えて下さい。
※松羽目物の舞台美術は能舞台を模倣したものです。七代目の団十郎の「勧進帳」が
松羽目物の第一弾。はじまりとなっています。題材も能・狂言からきているのが常です。


話がそれましたが、「勧進帳」良かったです! 富十郎さんの富樫が素晴らしかった!! 
吉右衛門さんの弁慶もかっこよかった! 大熱演でしたよ。
この話は有名なんで粗筋不要ですが、義経&弁慶の一行は山伏のふりをして逃避行中。
しかし、お上からの「山伏集団に要注意」というお達しが各関所に通達されている。
目の前には安宅の関。弁慶は知力と忠義の心で難関を突破することができるのか~ってな
話です。舞台の主役も弁慶です。弁慶VS富樫(関所のエライ人)。今回、はじめて楽しく
思えたのが、この二人の山伏問答の掛け合い。
本当に山伏なのか、弁慶にいろいろ質問攻撃する富樫の場面なんですが、すごく緊迫感が
あってドキドキしました。
私が子供だったら「弁慶頑張って~!」と応援したくなるような、スリルがちゃんとあり
まして、富十郎&吉右衛門コンビというのは、実は近年稀に見る良い組み合わせだった
のかも、なんて見ながら思っていました。
あと、良かったのがなんとか誤魔化して関所を通過しようとしたら、「あれはもしや義経
では?」と気付かれ、そのピンチを乗り越えるために、弁慶が主人である義経を打擲する
場面。「疑うなら、この男を打ち殺してみせましょう」と義経を殴りつけるのですが、
愛しい主人を殴るなんてありえないわけで、その葛藤が切ないのですが、吉右衛門さん
のはよく見る涙ながらに殴る弁慶というよりは、絶対バレないように荒々しく、容赦なく
殴ってる感じで、こっちの方がより必死な感じがして良かった。
その姿に感動して富樫は切腹覚悟で本当は義経だと気付いているのに見逃してあげるわけ
ですが、その富樫の思い切りもすごく良かったです。引っ込んでくところが・・・(涙)
あともう一つ、今回ちょっとウルウルしてしまったのが、無事関所を通った弁慶の一団。
落ち着いたところで、主人である義経に殴ってしまったことを詫びる弁慶の場面。
昔は主人が部下の手を握って励ますなんてことはありえなかったので、義経に許された
上に手まで差し出してもらえた弁慶は感極まってしまい・・・。この、義経(福助)が手を
差し伸べるところが、なんだかジーンと胸を打ち、感動しました。
(注※歌舞伎なので実際は手を握りません。距離があるので、手を差し伸べたこと
で握ったということを見せています)

なんだろう、昨日は本当に歌舞伎モードだったのかなぁ。
残念ながら三階席だったので、弁慶の最後の引っ込み(六方)は見られなかったのですが、
拍手の大きさに、良かったんだろうな~と空想しておりました。
あ~、やっぱり許されるなら一等席で観たかった。今月は金欠で無理だったから仕方ない
のですが、良い芝居はぜんぶ一等で観たいよ!! 昼の部は一等で観るので楽しみです。

【忠臣連理の鉢植(ちゅうしんれんりのはちうえ) 通称:植木屋】

埋もれていた戯曲を復活といった感じにかかった演目。上方狂言を頑張っていきたいと
いう梅玉さんの企画だったらしいのですが。埋もれてただけはあって、話が面白くない。
ふ~んって感じで(笑) 忠臣蔵外伝なので、四十七士のお話。あだ討ちの機会を待つ間、
植木屋を営む浪士の杢右衛門(歌六)と、弥七(梅玉)。
弥七には二世を誓ったお高(時蔵)という恋人がいるのですが、ある日、敵方の高師直の
妾・お蘭となって、そのお高が現れたから大変。プンスカ怒ってしまうわけです。
が、実はお高は弥七のために敵方の愛人という嫌な役をしてまで、あだ討ちに必要な絵図面
を手に入れてきたということがわかり・・・。ってだけの話。ふ~んです。
忠臣蔵は人気なので、関連演目が山ほどありますが、「植木屋」は埋もれているままで
良かった気がしましたよ(笑)
梅玉さんと時蔵さんは綺麗で、観ていてウットリはするのですが、二人とも上品&真面目
過ぎるのが玉に瑕。色っぽさが足りない。(→エラソーですみません・・・) 
六月に観た「盟三五大切」の小万を時蔵さんがやった時も、上品過ぎて深川芸者らしく
見えず。この時は間夫の三五郎を仁左様がやったこともあり、品の良過ぎる三五大切に
物凄い違和感を覚えたのでした。

以上、拙い感想でした。


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