たらら~んとしたブログ

歌舞伎・演劇・映画などの感想やら、非日常な日常やら、たらら~んと書いてるブログ。
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野田MAP「オイル」

オイル/野田MAP (今更に感想をUP!)

『オイル』という芝居は、日本の神話時代(古代)と大戦後のアメリカ進駐、原爆投下前、
そして9.11テロから始まる現代が重層的に、時間軸を越えて展開していきます。この違う時
間たちが綾なす物語はやがて大きな一つのうねりとなってクライマックスへ。

このお芝居は、野田作品のわりに、とても台詞表現がストレートで、どんどん胸に伝わって
くる感じが新鮮でした。野田さんにしてはわかり易いというか、ありえないくらい直球勝負。
今だからこそ伝えたい。野田さんの無垢なメッセージは観客全員に届いたと思います。

「オイル」はアメリカ人にとっては「自由」のことですが、「オイル」=「老いる」ことで
あり、今しか見ていない私たちも、いつか老いて死んで溶けて腐って地中深くに沈むオイル
になる。つまり、この『オイル』という芝居が伝えたかったことは、戦後日本に生きる日本
人は本当に自由なのか? アメリカはその「自由」とやらを守るためにイラクを侵略したけ
れどそれは正しいのか? 日本は原爆を2つも落とされたのに報復してはいけないのか? 
その時の痛みをもう忘れてしまったのか? といったようなことだと思います。
観ている間も、観た後も、今も考えさせられています。
日本人は戦後、名ばかりの自由と平和を手に入れて、それに満足したのか呆けていたと思う
んです。そして、大事なことを忘れていた。私たちは日本人であり、私たちの血肉には
長い、長い歴史が受け継がれていること。戦争を含め、忘れていい歴史なんてなにもないと
いうこと・・・。
私も忘れかけていました。それを思い出させてくれたこの『オイル』という芝居。
こういう、ただ面白いだけじゃなく、意味のある良い芝居が書ける作家さんって、あんまり
いないんじゃないかな? やっぱり、野田さんは凄い。天才だ!
ガツンと横っ面はられたような感じがしましたもの・・・。
 
『オイル』という題も、石油をめぐる争いを書いたことも本当にタイムリーで、2年も前(2001)
から構想があったことが嘘のようです。現在とリンクしすぎ。先見の明があったのか・・・? 
いや、そうじゃなくて天才には芝居の神様が味方につくのだと思う。時代が野田さんの脚本
についてきたように錯覚させるような。この時期に、この芝居をあてられたというのは本当
に奇跡。狙ってもできないです。
だからね、天才には途方もない運もあるんだな~って思いました。それを合わせてこそ、
やっぱり天才なんだと思うのです。

出演者のことも少し。主演の松たか子。『オイル』の彼女は良かったです。見直しました。
藤原竜也も蜷川芝居の彼とは違う良い面を引き出してもらえてたんじゃないかな? 
幾度か彼の芝居は見ていますがいちばん良かった♪ 
小林聡美と片桐はいりはさすがに上手いです。野田さんは・・・いつ見ても不思議な存在感
ですね~。役者・野田秀樹も好きです。

追伸/テーマは重いですが前半とかすごく笑えましたよ。ラストは静寂でしたが・・・。
本当に面白く、かつ考えさせられる内容でした。

【評価】
★★★★★
2003年4月11日~5月25日 渋谷シアターコクーン
作/演出 野田秀樹 
野田MAP第9回公演/オイル

2003年 4月 23日に管理人は観劇しました。

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